病床規模によって異なる看護師の働き方

病院やクリニックといった医療機関には、病床規模による分類があります。病床とは入院患者用のベッドのことです。病床が19床以下の医療機関は診療所と呼ばれ、病床が無い外来のみのクリニックも含まれます。病床規模が20以上の医療機関は病院になり、特に500床以上の病院が大病院と言われるのです。病床規模によって、看護師の働き方も異なります。診療所に勤める看護師は、医師の補助だけでなく、場合によっては受付から診察室の清掃などの雑用までこなさなければなりません。もっとも、診療所の医師は異動がないので、医師との相性が良ければ快適に働けます。大半の診療所は外来だけで、夜勤などの不規則勤務もありません。診療科が限定された診療所に勤務すると、得意な診療分野に特化した看護を施せるため、特定分野の専門的スキルを持つ看護師は本領を発揮できるでしょう。

中小の病院では、診療科の数が少ないことから、自分の得意分野とは異なる診療科に配置されることもあります。中小病院なら、受付や医療事務もいて、看護師が看護以外の雑用に追われることはないでしょう。病床規模の大きい病院は多数の診療科があり、様々な分野の看護経験を積めます。社会保険や退職金といった福利厚生及び給与面も恵まれており、看護師は安定した生活を送れるでしょう。病院が看護師に参加義務を課す研修会も多く、看護師はキャリアアップの機会に恵まれる一方、退勤後や休日に開催される研修会参加の負担は決して軽くはありません。